上から見た液滴
“ぬれ”方の色々
いびつな”ぬれ”
実際の現象では、側面(横)から見ればきれいにぬれているように見えても、上面から見ればいびつにぬれている様子が分かります。
このようないびつなぬれが、接触角のばらつきの原因のひとつとなります。
一般的な接触角計の限界で、単なる接触角だけを評価するだけでは問題があることに気付きます。

(着液してぬれ拡がり、さらに蒸発するまでの画像)
きれいな”ぬれ”
きれいにぬれる場合は、上面から見てもきれいな円状にぬれているのが分かります。
こうした場合は、側面からの接触角測定だけでいいように思われます。
こうした場合は、側面からの接触角測定だけでいいように思われます。
方向性の
ある”ぬれ”
固体試料によってはぬれに方向性があるものがあります。

こうした場合、上面からの映像があれば明らかに違いが分かるだけでなく、ぬれ面積*を比較すれば同等のぬれであることが分かります。
測定値の相違
項目
縦置き
横置き
着液量
0.95μL
0.99μL
接触角
145.36°
115.35°
ぬれ面積*
1.16mm2
1.15mm2
*厳密には90°以上なのでぬれ面積ではなく、見かけ上の投影面積となります。
原理上ぬれ面積は、90°以下でなければ計測できません。
原理上ぬれ面積は、90°以下でなければ計測できません。
接触角測定の限界
見える限界
しかしながら、きれいにぬれる場合は、側面から観察できる液滴の端点と、上面から観察できる液の輪郭点に差があります。
側面からの観測では、1画素より薄くぬれ広がってしまうため、見えなくなります(測定分解能の限界を超えてしまいます)。
接触角測定、2つの手法
i2win.nでは、上面の画像からも接触角を求めることができます。
上面の接触角は液の直径と着液量を元に求めます。その結果を下表にまとめます。
接触角計算値の相違
項目
側面
上面
接触角
3.79°
4.40°
直径
2880μm
3266μm
液高
48μm
63μm
従来方式の弱点
側面から観測する従来方式では、明らかに内側の点を取っています
1画素未満の情報が判別できないからですが、これを見るためには高分解能のカメラとそれに対応したレンズが必要になります。
単純に考えても、画素が4倍になったとしても、1画素の半分の厚みが判別できるようになるだけです。
ぬれやすさを評価したいのだから低い数値となる、従来方式の接触角測定が”良い” と思いたくなりますが、事実とかけ離れているかもしれません。
新たな視点
上面観測で
補完
上記表を見ると、上面画像を元に逆算した計算値では、液高が高くなっています。
これは、側面から観測した液滴の幅だけでなく、高さも見えなくなっている可能性を示唆しています。
とはいえ、蒸発によって液量が少しばかり減っている可能性もあるため、着液後の時間を基準として比較する必要があります。
いずれにしましても、上面からの観測における明らかな優位点は、ぬれ面積が測定できることです。
同じ液量でどれくらいぬれ拡がるか、という観点でのぬれ性評価が有効と言えます。
同じ液量でどれくらいぬれ拡がるか、という観点でのぬれ性評価が有効と言えます。
上面観測の意義
従来の接触角(側面観測)しか行っていなかった場合、少なくとも目視で上面から観察してみる必要があります。
いつも真円状にぬれているように見えるのであれば、そのままでも問題は無いと思われます。
しかし、真円にぬれていない場合で、接触角の評価で何か問題や疑問が生じている場合、上面観測をしてみてはいかがでしょうか。
新たな視点で観察するだけでも、これまで得られなかった知見を獲得できるかもしれません。
新たな視点で観察するだけでも、これまで得られなかった知見を獲得できるかもしれません。
上面観測に対応した装置