接触角測定の歴史
静的接触角しか測定できなかった
初期の
接触角計
初期の接触角計は光学的に拡大した液滴を、背後のスクリーンに拡大投影したり写真を撮って現像プリントから直接測ったり、あるいは顕微鏡のような拡大鏡を覗き、分度器で測る方法をとっていました。
液滴が固体表面に着液してから測定するまでに時間がかかるため、必然的に現在「静的」と呼ぶ状態で測定していました。
また顕微鏡タイプでは、カメラを取り付けて連写することで、連続的な変化を記録したこともありました。
液滴が固体表面に着液してから測定するまでに時間がかかるため、必然的に現在「静的」と呼ぶ状態で測定していました。
また顕微鏡タイプでは、カメラを取り付けて連写することで、連続的な変化を記録したこともありました。
電子の目
接触角計の
進化
その後CCDカメラなどの”電子の目”が登場することで、状況が変わります。
ビデオプリンターを接続が可能に、あるいはビデオキャプチャー機能によって測定したい画像を静止状態として、3点クリックなどを行えるようになりました。
さらにパソコンに画像を取り込むことができるようになったことで、カメラが持つフレームレート単位で画像を記録することが容易になりました。
ビデオプリンターを接続が可能に、あるいはビデオキャプチャー機能によって測定したい画像を静止状態として、3点クリックなどを行えるようになりました。
さらにパソコンに画像を取り込むことができるようになったことで、カメラが持つフレームレート単位で画像を記録することが容易になりました。
静的と動的の接触角
それぞれの特長
動的
接触角
対して動的接触角とは、液滴が固体表面に着液してから安定する（平衡になる）までの間の連続的に変化する状態における接触角のことをいいます。
静的（平衡状態になった）接触角しか測定できなかったデータと区別するために、”動的”接触角と呼ぶようになりました。
接触角の経時変化測定ともいいます。
静的（平衡状態になった）接触角しか測定できなかったデータと区別するために、”動的”接触角と呼ぶようになりました。
接触角の経時変化測定ともいいます。
最大600fpsの動的接触角（経時変化が測定可能な）装置
静的？
動的？
接触角を静的で評価するか、動的で評価するか。
どちらも同じ現象となりますが、何を知りたいかによって、適切な評価方法が異なります。
「静的」な状態は同等の接触角でも、着液した直後のぬれ方が違うなど、「動的」な状態で有意差が得られる場合があります。
また、品質評価などで評価指標が決まっている場合などは静的接触角が適していますが、未知の試料や評価方法が未確定の場合は、経時変化測定を行うことが推奨されます。
どちらも同じ現象となりますが、何を知りたいかによって、適切な評価方法が異なります。
「静的」な状態は同等の接触角でも、着液した直後のぬれ方が違うなど、「動的」な状態で有意差が得られる場合があります。
また、品質評価などで評価指標が決まっている場合などは静的接触角が適していますが、未知の試料や評価方法が未確定の場合は、経時変化測定を行うことが推奨されます。
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ニックの接触角計LSEシリーズに付属の画像解析ソフトウェアi2win.nでは、経時変化と静的のグラフをを切り替えて表示できます。
動的接触角は曖昧
動的と呼ばれる測定
動的接触角①
（経時変化）
まずは、先に紹介しました、接触角の経時変化測定となります。
固体表面に着液した液滴がぬれ広がって安定する（平衡になる）までの、連続的に変化する状態における接触角のことをいいます。
「動的接触角」または「接触角の経時変化測定」と言われています。
固体表面に着液した液滴がぬれ広がって安定する（平衡になる）までの、連続的に変化する状態における接触角のことをいいます。
「動的接触角」または「接触角の経時変化測定」と言われています。
グラフで評価
「接触角の経時変化測定」では、着液してから接触角が安定するまでに変化する現象（動的接触角）にも違いがあることが分かりました。
そこで、着液してから接触角が安定するまでの現象をグラフとして評価することになります。グラフを見れば、平衡状態になる「静的接触角」が着液から何秒後かが分かりやすくなります。
そこで、着液してから接触角が安定するまでの現象をグラフとして評価することになります。グラフを見れば、平衡状態になる「静的接触角」が着液から何秒後かが分かりやすくなります。
このように、「静的接触角」は、「動的接触角」として測定したデータに含まれていることになります。
現在では一般的な産業用カメラのフレームレートとなる秒間60フレームの現象は、通常測定できるようになっています。
動的接触角②
（拡張収縮）
動いている状態のことを広義に「動的接触角」といいますので、拡張収縮測定も、動的接触角として扱われることがあります。
固体試料面に液を吐出吸引させた場合の、前進角・後退角を測定する方法のことです。
固体試料面に液を吐出吸引させた場合の、前進角・後退角を測定する方法のことです。
動的接触角③
（傾斜）
傾斜法、滑落法などと呼ばれる手法です。
着液した試料を傾け、液滴が転がり（滑り）落ちる角度を測定するのが標準的な方法です。
ここで、液滴が動く挙動を観測する方法も、動的な挙動であることから、動的接触角として扱われることがあります。
着液した試料を傾け、液滴が転がり（滑り）落ちる角度を測定するのが標準的な方法です。
ここで、液滴が動く挙動を観測する方法も、動的な挙動であることから、動的接触角として扱われることがあります。
何で評価すべきか？
目的に応じて
選択
・静的接触角
・動的接触角
・拡張収縮測定
・傾斜測定
どの方法で評価すべきかは、目的や用途に応じて選択します。
・動的接触角
・拡張収縮測定
・傾斜測定
どの方法で評価すべきかは、目的や用途に応じて選択します。
実際に測定し、有意差が見られるかによって、評価方法を選ぶ必要があります。