文:PSA研究所 北崎寧昭 所長

接触角の評価事例(寄稿文2)

<接触角での評価事例>
(1)接着性を予測できる
<図1>の(a)と(c)を比較すると、液体が接着剤であったとすると、(a)の接着剤はこの固体をよく接着できないことが容易に分かる。

(c)のような接着剤は、良い接着剤となることが分かる。
図1 (a)ぬれが悪い図(b)液体と固体の矢視図(c)完全にぬれる図
実際的な例を挙げると、フッ素樹脂加工をしたフライパン上では食品(多くは水分を多量に含む)は、(a)の状態を示し、フライパンに付着せず調理ができるわけである。フッ素樹脂加工した面は非常に撥水性が高いことが知られている。

粘着ラベルに使われている剥離紙の剥離剤処理をした面は、水滴を落としてみると分かることであるが、非常に撥水性が高いことが分かる。

実際には試すことはなかなか難しいが、粘着剤は剥離紙の剥離剤面には(a)の状態の接触角を示すのである。

そのことにより剥離紙の役目が果たせるのである。
(2)表面の汚れを知ることができる
接触角は非常に薄い単分子膜(厚さ0.1~0.05μm)でも再現性よく測定できる。

清浄な固体表面が部分的に付着物で汚染されていたとしても、水滴などの接触角を測定することにより、その固体表面が清浄かどうかを判別することができる。
(3)表面処理が適切にされているかの判別が可能である
上記と同様な理由で、コロナ放電処理をしたフィルム面の状態を判定できる。

JISに示されている濡れ張力の試験方法も、接触角を測定することにより、定量的で正確な情報を得ることができる。
(4)界面化学的な物理量を求めることができる
液体の表面張力と接触角を知ることにより、理論式を用いて固体物質の表面張力(表面自由エネルギー)を求めることができる。

また同時にその物質の極性、水素結合性などを定量的に知ることができる。