技術情報~目次~
接触角を知ろう
接触角とは何か?
接触角とは、ぬれ性評価における指標のひとつです。
ある固体の上に液体を落としたときにできる液滴のふくらみの状態を数値化したものです。
ある固体の上に液体を落としたときにできる液滴のふくらみの状態を数値化したものです。
接触角:実際の画像
多くの場合、実際の映像では反射像が見えます。
接触角:上面からの様子
実際の現象を見ると、側面からではきれいにぬれているように見えても、上面から見ればいびつにぬれている様子が分かります。
接触角ヒステリシス
接触角ヒステリシスとは、前進角と後退角の差と定義されています。
動的接触角と静的接触角の違い
動的接触角とは、液滴が固体表面に着液してから安定するまでの間の連続的に変化する状態における接触角のことをいいます。
JISについて
JISとは、日本産業規格(旧:日本工業規格)のことです。
接触角計に関する規格として参考になるのは、「JIS R3257 基板ガラス表面のぬれ性試験方法」となります。
接触角計に関する規格として参考になるのは、「JIS R3257 基板ガラス表面のぬれ性試験方法」となります。
ぬれ性と接触角(一部内容重複)
ぬれ性の概要
接触角は最もよく知られている、評価方法です。
固体に液体を滴下し、横から見た時の角度によって評価する手法です。
固体に液体を滴下し、横から見た時の角度によって評価する手法です。
ぬれ性の評価1
年賀状を家庭で印刷しようとして、インクジェットプリンター用を使わなかったことで、色がにじんでしまうことがあります。
同じ傘であっても、材質や表面コーティングの違いによって、雨のはじき方が異なります。
ぬれ性の評価2
この「ぬれ」という現象には、「表面張力」が深く関係しています。固体試料が同じでも、液体が異なるとぬれ方が異なります。
このため、接触角に加え「表面張力」を測定することがより良いぬれ性の評価となります。
このため、接触角に加え「表面張力」を測定することがより良いぬれ性の評価となります。
寄稿文
(表面自由エネルギーで有名な北崎所長より)
(表面自由エネルギーで有名な北崎所長より)
接触角について
このように物質は気体、液体、固体の三つの状態をとる。
液体や固体は分子同士が互いに引き合っているので、まとまった状態として観察される。分子同士が互いに引き合っている力を分子間力といい、引き合っている状態を分子間で相互作用があるという。
水をコップなどの器に注ぐとき、上手に注ぐとコップの縁から盛り上がるようになるが、それは水の「表面張力」によるものであることが知られている。ここで水の表面張力とは水分子同士が分子間力で引き合って分子間相互作用を行っている結果で、水の場合はこの値は72.8mN/m(20℃)である。
このように、様々な液体や固体はそれぞれ一定の温度で決まった表面張力を持っている。
個体と液体の相互作用を<図1>に示した。
水をコップなどの器に注ぐとき、上手に注ぐとコップの縁から盛り上がるようになるが、それは水の「表面張力」によるものであることが知られている。ここで水の表面張力とは水分子同士が分子間力で引き合って分子間相互作用を行っている結果で、水の場合はこの値は72.8mN/m(20℃)である。
このように、様々な液体や固体はそれぞれ一定の温度で決まった表面張力を持っている。
個体と液体の相互作用を<図1>に示した。
接触角の評価事例
(1)接着性を予測できる
<図1>の(a)と(c)を比較すると、液体が接着剤であったとすると、(a)の接着剤はこの固体をよく接着できないことが容易に分かる。
(c)のような接着剤は、良い接着剤となることが分かる。
<図1>の(a)と(c)を比較すると、液体が接着剤であったとすると、(a)の接着剤はこの固体をよく接着できないことが容易に分かる。
(c)のような接着剤は、良い接着剤となることが分かる。
実際的な例を挙げると、フッ素樹脂加工をしたフライパン上では食品(多くは水分を多量に含む)は、(a)の状態を示し、フライパンに付着せず調理ができるわけである。フッ素樹脂加工した面は非常に撥水性が高いことが知られている。