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技術情報~目次~

寄稿文
(表面自由エネルギーで有名な北崎所長より)
接触角について
このように物質は気体、液体、固体の三つの状態をとる。
物質の三態の図(気体<->液体<->固体<->気体...)
液体や固体は分子同士が互いに引き合っているので、まとまった状態として観察される。分子同士が互いに引き合っている力を分子間力といい、引き合っている状態を分子間で相互作用があるという。

水をコップなどの器に注ぐとき、上手に注ぐとコップの縁から盛り上がるようになるが、それは水の「表面張力」によるものであることが知られている。ここで水の表面張力とは水分子同士が分子間力で引き合って分子間相互作用を行っている結果で、水の場合はこの値は72.8mN/m(20℃)である。

このように、様々な液体や固体はそれぞれ一定の温度で決まった表面張力を持っている。

個体と液体の相互作用を<図1>に示した。
接触角の評価事例
(1)接着性を予測できる
<図1>の(a)と(c)を比較すると、液体が接着剤であったとすると、(a)の接着剤はこの固体をよく接着できないことが容易に分かる。

(c)のような接着剤は、良い接着剤となることが分かる。
図1 (a)ぬれが悪い図(b)液体と固体の矢視図(c)完全にぬれる図
実際的な例を挙げると、フッ素樹脂加工をしたフライパン上では食品(多くは水分を多量に含む)は、(a)の状態を示し、フライパンに付着せず調理ができるわけである。フッ素樹脂加工した面は非常に撥水性が高いことが知られている。