動的接触角と静的接触角の違い
動的接触角とは、液滴が固体表面に着液してから安定する(平衡になる)までの間の連続的に変化する状態における接触角のことをいいます。
接触角の経時変化測定ともいいます。
接触角の経時変化測定ともいいます。
対して、静的接触角は、液滴が固体表面に着液してから状態が安定した時点の接触角のことをいいます。
どちらも同じ現象となりますが、どこに着目するかによって動的な現象として評価するか、静的な現象として評価するかが変わります。
動的と静的と分ける理由
接触角を動的と静的と分ける理由は、接触角計が誕生した時点の技術的問題に起因しているといえます。
初期の接触角計は光学的に拡大した液滴を、背後のスクリーンに拡大投影したり写真を撮って現像プリントから直接測ったり、あるいは顕微鏡のような拡大鏡を覗き、分度器で測る方法をとっていました。
液滴が固体表面に着液してから測定するまでに時間がかかるため、必然的に現在「静的」と呼ぶ状態で測定していました。
初期の接触角計は光学的に拡大した液滴を、背後のスクリーンに拡大投影したり写真を撮って現像プリントから直接測ったり、あるいは顕微鏡のような拡大鏡を覗き、分度器で測る方法をとっていました。
液滴が固体表面に着液してから測定するまでに時間がかかるため、必然的に現在「静的」と呼ぶ状態で測定していました。
その後CCDカメラなどが普及し、またパソコンに画像を取り込むことができるようになったことで、カメラが持つフレームレート単位で画像を記録することが容易になりました。
これにともない、着液してから接触角が安定するまでに変化する現象(動的接触角)にも違いがあることが分かりました。
条件を変えて比較し、「静的」な状態では同じでも、「動的」な状態で有意差が得られる場合があります。
ただ、かつては「動的」な現象を記録するには機器が高額になるため、旧来の顕微鏡式接触角計の後継としての位置付けの「静的」接触角計と、その上位となる「動的」接触角計とに分けられてきた経緯があります。
そのため、着液してから接触角が安定するまでの現象を主にグラフとして「動的接触角」で評価する方法と、安定した時点での「静的接触角」を評価する方法に区別されています。
条件を変えて比較し、「静的」な状態では同じでも、「動的」な状態で有意差が得られる場合があります。
ただ、かつては「動的」な現象を記録するには機器が高額になるため、旧来の顕微鏡式接触角計の後継としての位置付けの「静的」接触角計と、その上位となる「動的」接触角計とに分けられてきた経緯があります。
そのため、着液してから接触角が安定するまでの現象を主にグラフとして「動的接触角」で評価する方法と、安定した時点での「静的接触角」を評価する方法に区別されています。
「静的接触角」は、「動的接触角」として測定したデータに含まれていることになります。
現在では一般的な産業用カメラのフレームレートとなる秒間60フレームの現象は、通常測定できるようになっています。
拡張収縮測定
動いている状態のことを広義に「動的接触角」といいますので、拡張収縮測定も、動的接触角として扱われることがあります。
固体試料面に液を吐出吸引させた場合の、前進角・後退角を測定する方法のことです。
固体試料面に液を吐出吸引させた場合の、前進角・後退角を測定する方法のことです。
この方法は、接触角ヒステリシスとして扱われるようになってきていいます。
どちらで評価すればいいのか?
動的接触角と静的接触角のどちらで評価すべきかは、目的に応じて選択すべきだと言えます。
これまでのデータが静的接触角として積み上げてきたのであれば、「静的接触角」で評価すべきです。
しかし注意しなければならないのは、これまでのデータが着液してから何秒後の現象を測定していたかを明確にする必要がある点です。
これまでのデータが静的接触角として積み上げてきたのであれば、「静的接触角」で評価すべきです。
しかし注意しなければならないのは、これまでのデータが着液してから何秒後の現象を測定していたかを明確にする必要がある点です。
そのため、これからは「動的接触角」でデータを蓄積しておき、過去データと比較する場合に、着液してから何秒後の測定値を用いるかを規定する方法が推奨されます。