ぬれ性の概要

接触角
接触角は最もよく知られている、評価方法です。
固体に液体を滴下し、横から見た時の角度によって評価する手法です。
一般的にはθ/2法による測定が知られていますが、現在ではカーブフィッティングを標準で行うようになっています。
低接触角の界面量力の均衡図 高接触角の界面量力の均衡図
ぬれる場合は接触角θが低くなり、はじく場合は接触角θが高くなります。
ここから分かるのが、固体に対する液体のぬれ性で、応用として様々な測定ができます。
ぬれ面積と真円度と周囲長
接触角だけでは分からない現象を数値化する評価方法です。
固体に液体を滴下した状態を、上から見て液滴のぬれ方を評価します。
いびつなぬれの概念図(横から見ればきれいにぬれていても、上から見ればいびつにぬれているのが分かる) きれいなぬれの概念図(上から見れば一目できれいにぬれているのが分かる)
一見きれいにぬれ拡がっているように見えても、実際にはいびつにぬれている場合があります。
接触角だけでは、ぬれ現象を正しく評価しているとは言えません。
ぬれ性と除去性
結論から言えば『ぬれやすい≠付着性が良い / ぬれにくい ≠ 除去性が高い』となります。
接触角が高くても、逆さまにしても液体が落ちないこともあります。

逆に接触角が低くても、傾けるとすぐに液体が落ちることもあります。ぬれやすさ、ぬれにくさは、液体と固体の相性のため、通常の接触角とは別の要素となる、前進角後退角で評価する必要があります。
高接触角でも、逆さまにしても落ちない図 低接触角でもわずかな傾斜で落ちていく図
傾斜測定
試料を傾斜させながら液滴を観測する、付着性(滑水性)の評価です。
液滴の水平状態 液滴を傾けた状態(傾けた角度は傾斜角。図の液滴左の接触角は後退角。図の液滴右の接触角は前進角 傾けて滑り落ちていく図(傾けた角度・傾斜角は滑落角となる)
拡張収縮測定
液の吐出と吸引を行う、拡張収縮による評価です。
前進角(拡張収縮測定):固体試料に近づけた針から液を吐出させて測定する図 後退角(拡張収縮測定):固体試料に近づけた針で液を吸引させて測定する図
左右接触角
かつて一般的に行われてきた接触角の計算方法(θ/2法)では、横から見た時の液滴の輪郭は円の一部であるという前提で計算するために、ぬれ方が左右で異なる場合には、実際の現象と測定値にずれが生じます。
i2win.nでは、左右別々に計測することができます。

一般的には、tangent法(接線法)と呼ばれています。
液滴の左右で接触角が異なる図
カーブフィッティング
角度の求め方は、固体に着いた液滴の高さと境界面の幅を測定し演算するθ/2法が簡易であることから広く用いられてきました。
現在では、画像をコンピュータに取り込んで輪郭座標点を通る仮想円の演算できるため、カーブフィッティングが主流となります。i2win.nでは、真円と楕円のフィッティングに対応しています。
液滴全体でのフィッティングをしている図 液滴の左右別個にフィッティングをしている図
拡張収縮モード
i2win.nでは、標準の接触角測定においても、手動ディスペンサを用いての拡張収縮測定ができます。
このモードで有意差が見られるようなら、吐出速度を一定に保てるオートディスペンサと自動で前進角後退角の測定ができる拡張収縮測定をご検討ください。
拡張収縮(静的)測定の概略図
経時変化の接触角解析
ぬれがいい場合には、着液した直後から平衡状態になるまで接触角は変化します。
そのため、i2win.nでは、時間変化で評価することを基本としています。着液後何秒の接触角で評価すべきかは、グラフによって判断することができます。もちろん、静的と呼ばれる測定にも対応しています。
ぬれていく図1(まだ接触角が高い)
曲率補正
球面の上でも、i2win.nでは曲率補正することで、正しい接触角を測定できます。
円周上の接触角を測定する概念図
上面からの接触角測定
ぬれがいい場合、横からの画像では液の端点が判別できません。
このような場合でも、上からの画像では液滴の輪郭がはっきりと判別できることがあります。そこででは作成時の液量と、着液後の上面画像からの直径を利用し、接触角を概算します。
図1:着液前に液量を測定する。 図2:着液後の上面画像から周囲長を求め、接触角を求める。(側面画像では液滴の端点が判別できないが、上面からだとぬれ拡がった端が見える。)
ぬれ性と接触角
表面自由エネルギーで有名な北崎所長からの寄稿文